Billy Joelと関係代名詞

私の洋楽との最初の出会いはBilly Joelである。小学校5年生くらいだったと思うが、第1次接近遭遇はネッスルのチョコホットのCMで流れたHonestyだと思う。とても良い曲だなあと小学校高学年の筆者が思ったのだから、本当に良い曲なんだと思う。最初は黒人のシンガーだと思い込んでいたが、その後白人の歌手であることが分かったのはBilly Joelとの第2次接近遭遇である「Glass Houses」というアルバムである。30年以上過ぎても、今でも覚えているのが、そのアルバムのライナーノーツにこのように書かれていた。
“People who live in the glass houses should not throw stones.”(ガラスの家に住む人は他人に石を投げるべきではない。)ちょうど英語を中学校で習い始めた頃だったろうが、私は学校で英語を習ったというよりはBilly Joelから学んだと言っても過言ではない。良い曲でも何を歌っているのか分からないから、必死になって英和辞典で和訳していたのを覚えている。このライナーノーツの”who”は、「誰?」って文章の中にどうして疑問詞が入っているんだろう?なんて考えだし、それが関係代名詞であることをすぐに突き止め、周りの友達が知らないことを自慢に思っていたのを今でも記憶している。多少自慢話になるが、中学校では英語の試験は99点未満の点数を取ったことがなかった。これもビリーのおかげである。

 あとで分かるのだが、私が大ファンになったきっかけの「Glass Houses」というアルバムはBilly Joelがピアノ弾きにはロックンロールは出来ないだろうと揶揄されたことに対する彼の返答ともいうべきアルバムで、このアルバムの中の”It’s still rock’n’roll to me”は全米第1位に輝く曲なのである。いわば、過去のファンをある意味裏切ったような曲調のアルバムであるともいえる。私も個人的にはあまり好きな曲ではない。Billy Joelは、やはりピアノ弾きのままでよい。とても良い曲が「Glass Houses」よりも前にたくさんある。また、独断で紹介していきたいと思う。