頸椎硬膜外持続カテーテルという保存療法

来月に頸椎症の手術を控えている筆者であるが、頸椎症を発症してから15年以上もの間、保存療法ひとすじでやってきたのだが、その私が手術療法に方針を転換したのは、以前お話しした「両腕の太さに差が出てきた」からである。平成25年2月上旬に15年ぶりに訪れた頸椎専門医に手術を申し出たのだが、手術の前に「頸椎硬膜外持続カテーテル」をしてみてはどうかと主治医に勧められた。手術をしてもらおうと意を決して行ったにも関わらず、専門家に回り道をしてでも一度やる価値があると言われ、この保存療法を行うことにした。
 よく言われる「ブロック注射」とはレベルが違うもので、保存療法ではあるが、かなり手術療法に近い感じがした。それもそのはずで、手術室に入り、X線透視下において頸椎の硬膜外ぎりぎりのところまでカテーテルの管を入れる処置を行うのである。私の場合、これに2時間近くかかったのは不運であったとしか言いようがない(普通は30分くらいだそうだ)。ただ、麻酔薬をカテーテルから注入した瞬間、患部に血が流れていく感じがして、一瞬で患部の痛みがなくなり、いままで経験したことのない不自然な気持ちよさを感じたのは良い経験になった。この後、7日間入院を余儀なくされながら、このカテーテルを入れたまま過ごした。このカテーテルを入れている間は確かに頸椎症の症状は消失していた。だから、もし可能であるなら、このカテーテルを挿入したまま一生過ごせるのなら、私も手術療法を選ばずに済んだはずである。もちろんそんなことは現代の医学では不可能である。実際風呂も入れないし、普通の社会生活を営めないであろう。

 主治医の言うロジックはこうである。この時点では椎間板ヘルニアという仮定のもとであったが、血行のない椎間板ヘルニアがカテーテルによる麻酔薬持続投与により良くなった血行にさらされることで炎症を抑えるのと同時に発症して間のない場合はヘルニア自体も小さくなることもあるらしいとのことであった。また、この炎症を抑えることが重要で、これはカテーテルを抜いたあとも効果が持続するという説明も受けた。しかし、残念ながら、私の場合は骨棘の変成により神経根を圧迫していることが同時に行われたミエロという造影3次元CTで明らかになったため、効果がなかったのである。カテーテルを抜いた瞬間にほとんど元に戻ってしまった。なので、ミエロを先に行った方が良いかなと思います。でも、このミエロも1日くらい入院しないといけないかも知れないけど。

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