突如、父子家庭に

 「クレイマー、クレイマー」というとても古い映画がある。仕事一筋の男があるとき、妻から三行半をたたきつけられ、幼い息子と二人の父子家庭生活に奮闘していくというストーリーは少年だった当時の私(両親も揃っている)には衝撃的に映ったことを憶えている。
 今週の日曜日から次男坊が入院することになった。ひどい下痢と発熱が2,3日続いたが、町医者は風邪の菌が腸に入った程度の診察で抗生剤の処方しかせず、このままでは駄目だと私が判断し、日曜日なので救急車まで出動していただき、救急病院に駆け込んだのである。結果、ウィルス性の腸炎と診断された(ちなみにノロやロタではなかった。)1週間の絶食を強いられ、点滴のみで命をつなぐことになった。最初の3日間は腹痛と発熱、そして下血がとまらず大変であった。現在は入院して4日目であるが、容体は安定してきている。
 こんなこともあり、妻は日中は家で家事をこなし、夜間は次男坊に付き添って病院で寝泊まりしている。朝と夜は残された長男坊と私のクレイマークレイマーな生活が突如として始まったのである。以前、ブログに書いたが、長男坊はとても無口な少年(11歳)であるが、弟の非常時ということもあり、黙々と家事をこなしてくれている。朝6時半の犬の散歩から始まり、自分で朝食を用意し、学校から戻ると、犬の散歩と風呂掃除をしてくれている。黙々とである(笑)。普段は起床が7時である私が起きる頃には犬の散歩を終えているが、私も父親としての意地があり、6時25分に起床し、長男坊を起こしてい
る(笑)。しかし、朝食の準備をしてやれないのが辛い(別にすればよいのだが、出来ない(涙))。寒い朝に温かいものでも出してあげたいが、冷蔵庫のヨーグルトとヤクルトにコッペパンのようなものを食べて、今朝もいそいそと学校に出かけていった。(この間、黙々とである。)
 普段から子どもには母親が必要であると考えているが、こういうことになると改めてその必要性を感じさせられる。昨晩も外食であったが、普段は喜ぶはずの外食もママの料理の方が美味しいと言葉少なげに言う始末。やはり、母親が必要なのである。こういうときに父親としての無力さを感じさせられる。と、このブログを出張行きの電車の中で書いている。今日も仕事は早めに切り上げて帰宅するのだが、喜ばない外食へと出かけるしかないのか。次男坊よ早く良くなれ。