「風立ちぬ」を観た

「風立ちぬ」を観た。とても良い映画であった。美しいものは常に真実であると言わんばかりに「美しい」という言葉を口にする主人公は天才肌のエンジニア。私は天才肌ではないが、天才肌の人は常に美しいものを追い求めるんだなあと改めて実感してしまった。この映画を観ながら、少し前に観た「A Beautiful mind」という映画を思い出した。ノーベル経済学賞を受賞した数学者(経済学者)の半生を描いた映画で、狂気にも思える表現が全編にわたるが、天才とは美しいものを追い求めるがあまりに空想なのか現実なのか分からなくなってしまうという表現が似通っていた気がする。また「風立ちぬ」でもそのような表現技法が用いられている。
 主人公の求める美しさは彼の恋愛観にも及ぶが、恋愛は一人で成就できるものではなく、フィアンセの気丈な振る舞いも伴い、美しいがあまりにはかなすぎた気がする。結婚式のところは涙があふれてどうしようもなかった。
 宮崎駿作品にしては久しぶりに大人な作品と言う感じがした。映画館を出て、なぜかもう一度「A Beautiful mind」が観たくなった。